僕は、ブラック。森の中にある一軒の家に住む僕。もちろん1人暮らしだ。その家は『friendly Cafe』(和やかな喫茶)というコーヒー専門のお店だ。



この物語は田舎の男、ブラックがおいしいコーヒーを世界に広める話・・・。そして・・・。



“カランカラン”

「いらっしゃいませ。」

いつもの日常。いつもと変わらない生活。そんな日々が続くと思っていた。

「こんにちは。」

今日は新しいお客さん。もちろん常連のお客さんもいるけれど。

「何になさいますか?」

「コーヒーとサンドウィッチをください。」

「はい。」

その女性は窓辺の席に座った。とても高価な服を着ており、まるでお人形のような女性。窓辺の席はとても似合ったいた。僕はきっとこの女性はコーヒーを飲む姿も映えるのだろうと思った。





「お待たせしました。」

「わぁ~。おいしそう。」

その女性はまずコーヒーを一口飲んだ。

「コーヒーってこんなにおいしかったんですね。こんなにおいしいって思ったの初めてです。」

「それは良かったです。」




「ご馳走様でした。また、来ますね。」

女性はそう言って店を出て行った。

「可愛いね。あのお嬢さん。」

常連の老人が話しかけてきた。

「そうですね。」

「お前さん、まだ独り身だったな。あの子なんてどうだ?嫁さんに。」

「僕にはもったいないですよ。それに僕には、このコーヒーを世界に広めるという夢があるから・・・。それが叶ってから考えますよ。」

「そうかい?」

老人はコーヒーを口に運ぶ。





それから女性が言っていた通り、あれから毎日来るようになった。

「こんにちは。」

「あなたももう常連さんになりましたね。」

「はい。」

笑顔で答える女性。いつも座る窓辺の席ではなく、今日は僕の近くのカウンターに座った。

「今日はどうしてここに?」

「マスターとお話がしたかったの。」

今は常連の老人は来ておらず2人だけだった。

「マスター、名前は?」

「ブラックと申します。」

「ブラックさん。私、ティーチと言います。」

「ティーチさんですか。可愛い名前ですね。」

「ありがとうございます。ブラックさんは1人でお店を出しているんですか?」

「はい。」

「すごいですね!こんなおいしいコーヒー1人で・・・わぁ~。」

目をキラキラさせるティーチ。

「ティーチさんはどのようにこのお店を知ったんですか?」

「恥ずかしいんですけど、家を飛び出して森に迷い込んでしまって。その時にコーヒーの香りがしてきて、ここに辿り着いたんです。」

「ここってそういう人が来るような店なんですよね。あの老人の常連さんも道に迷ってコーヒーの香りでここに来たとか・・・。」

「他の人は・・・?」

「まだ2人しか来てません。」

「もったいないですよ!・・・そうだ!私にいい考えがあります。少し時間がかかりますが、ブラックさんのコーヒーを世界に広めましょう!」

「え・・・え?」




それからティーチは時々来るようになった。それのせいか、僕はティーチを待つようになっていた。

“カランカラン”

「ティ・・・あ。いらっしゃいませ。」

「おお、今日はあのお嬢ちゃんは来ておらんのか。」

「はい。」

「自分の気持ちに素直になりなさい。」

僕は何を言っているのか最初は分からなかった。

「自分の・・・気持ち?」

僕は自然に自分の胸に手を当てていた。それを見た老人は笑顔でコーヒーを飲んでいた。





「こんにちは。」

「いらっしゃいませ。」

「準備できましたよ!」

そう言うと僕に封筒を差し出してきた。

「これ・・・は?」

「招待状です。」

その招待状にはこの辺りで有名な貴族の名が書き記されていた。

「招待状・・・。」

「これで皆さんにブラックさんのコーヒーを知ってもらえますね。」

「ティーチさん。ありがとうございます。」

ティーチさんの顔が少し赤みが掛かっているように見えた。





「今日もとってもおいしかったわ。ご馳走様でした。」

彼女が立ち上がり、出口へ向かう。

「あ・・・あの!」

「はい?」

僕は勇気を振り絞った。

「僕には夢があります。」

「夢?」

「はい。僕のコーヒーを世界に広める夢があります。もし・・・もしその夢が叶ったら・・・。」

「叶ったら?」

「僕と・・・結婚してもらえませんか?」

「え?」

彼女の顔は驚いたようにしていた。

「え、えと・・・。こんな私でよければ・・・。でも、私、ブラックさんに言っていないことがあるんです。」

「何かな?」

「私、この招待状にある主催者の血縁の者なんです。」

「道理で。」

「こんな私でもいいですか?私・・・貴族なんかよりもブラックさんが大切で・・・大好きなんです。」

「こんな僕でよければ。」





舞踏会当日。

僕は舞踏会の会場の人にコーヒーを出していた。

「あら、おいしい。これは誰が入れたの?」

「本当。おいしい。これはすばらしい。」

僕のコーヒーの評判は良かった。





「旦那様。」

僕は振り返る。そこには常連の老人が高価な服を着て僕の前に立っていた。

「お父様。」

「ティーチ、え?お父様?」

「いかにも、マスター。君には本当に感謝の気持ちで一杯だよ。こんなに楽しいパーティー、舞踏会は初めてだ。」

「あ、ありがとうございます。あの・・・それと日頃の無礼をお許しください。」

「いやいや、それより、君の夢は叶ったかな?」

「・・・はい!」

「他に言うことはあるかな?」

「・・・僕をこの場に呼んでいただきありがとうございます。そして、この場で言うのはなんですが、僕はティーチ様に恋をしました。そして先日結婚の申し出をしました。」

周りからは歓声の声が響き渡った。

「僕に・・・。」

「そんな堅苦しい話は良い。」

笑いながら僕の手を取る。

「私は嬉しいんだよ。こんな優しい男が私の娘の夫となるのだから。」

「では・・。」

「ああ。前から言っておっただろ?嫁さんにどうだと。」

優しい笑みで僕を見る。そんな顔を一瞬で変え、真剣な表情で述べた。

「ここにいる皆様方。今日、この舞踏会の日に娘であるティーチとこの男ブラックの結婚を認める。ここにいる皆様が証人となる!」

先ほどよりも大きな歓声だった。





誓いの言葉を述べ合った。

「では、誓いの口付けを・・・。」




僕の夢、僕のコーヒーを世界に広めること。

それが叶った今の僕にはティーチというお嫁さんができた。





今の僕はとても幸せな日々を過ごしています。










                                 これからもずっと・・・。






















                                                                         fin
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