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		<title>鏡・涙・光</title>

		<description>いつもいつもイジメに遭う私。

「もう…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ いつもいつもイジメに遭う私。

「もう嫌！」

いつもいつも自殺を考える。だけれど私は弱いからいつも足がすくんでしまってできない。

「もし・・・変われるなら、変わりたい！！」

自分の気持ち、言いたいことが言えない彼女はいつもそう思っていた。





今日もイジメに遭い、疲れきっている瑠希（るき）。帰宅途中、車に轢かれて死ぬのもいいなと何度も思う。でも、いつもいつも足がすくんでできない。

「私って本当に弱い。」

苦しくて、胸が締め付けられる。涙が出てくる。

「～～～。うっ。苦しいよ・・。」

ボタボタ涙が灰色の地面に水玉模様を描く。瑠希はふと視線を感じ、周りを見渡す。でも、誰の姿もない。しかし、体が勝手に不気味な店へと足を運び出す。

「呼んでる？」

中に入ると、その店の奥に鏡があった。

【悲しいの？泣いてるの？】

どこからか女の子の声が聞こえる。

【ここ、ここ。貴方の前にいるわ。】

「鏡？」

【そう、私は貴方で貴方は私。さぁ、こっちへおいで。】

「え？」

またしても体が勝手に動き出す。

「・・・。」

瑠希は両手を鏡に触れる。

「え？あ・・・きゃ！！！」

鏡に触れた途端、吸い込まれ光に包まれた。





意識を取り戻した時には、辺りは静かだった。見回してもいつもと変わらない景色だった。でも、外は暗く灰色の世界だった。

「何・・・これ？」

人、１人も見当たらない。

「え？！」

瑠希は看板に書いてある文字が鏡のようになっているのに気付いた。

「も・・しかして、さっきの・・・本当に鏡の中に入っちゃったの？！」

今の私は１人・・・独りというのが合うだろう。

「でも・・・私に合う世界なんだろうな。」

瑠希は歩き出す。





私の家が見え、中へと入る。

【お帰り！！】

知らない・・・女の子。でも・・・知ってる。そう、さっき鏡の中にいた女の子。

「・・・。」

【あ、私ね、鏡花（きょうか）。】

「鏡・・花。貴方が私をここに連れてきたの？」

【そうよ？貴方が求めた世界、私は貴方を救いたかったの。】

「私を・・・救う？」

【うん。】






２人だけの世界を過ごした。私の求めた世界だと思ってた。でも、日に日に寂しさが生まれた。

【どうしたの？】

「寂しい・・・。現実の世界・・・元の世界に帰りたい！！」

泣き出す瑠希。

【どうして？どうして帰りたいの？私を１人にするの？！】

暗い闇が私を飲み込んだ。



何も見えない。真っ暗。何も香りを感じない。何も・・何も・・・。これが寂しいという気持ち？孤独。

「さび・・・しいよ。誰か・・・。」

そう呟き、一筋の涙が零れる。その零れた一粒の涙が宙に浮き、光りだす。

「・・・希。」

誰？

「瑠希。」

私の名前を呼んでいるのは誰？

「瑠希行っちゃヤダ！私を独りにしないで！！」

光とは反対側に居る鏡花の姿。

「ヤダヤダ！何処にも行かないで！１人にしないで！！」

「鏡花・・・。」

鏡花は私に抱きついた。瑠希は気付く。鏡花は鏡に映った私だった。鏡花は・・・鏡花は小さい頃の私を映していたのだ。

「辛・・かったよね？１人は寂しいかったよね。でも、私、変わる。自分の気持ち・・・皆に伝えられるような人に代わる。だから一緒にここから出よう？」

【瑠・・希・・。・・うん！！】

涙を流した鏡花が光の粒となって私の胸の中へと入っていった。

「呼んでる！行かなきゃ！！」







「瑠希！！」

目を覚ます。辺りを見ると真っ白な世界。

「ここ・・・は？」

「病院。」

そこにはいつもイジメに参加していた人の姿があった。

「ごめんね。瑠希。私的にはただからかってただけだったのに、こんなに苦しめてたんだね。ごめんね。」

涙を流しながら謝る友達。瑠希はすでに許していた。私のために流してくれた涙。

「いいよ。でも、これからは仲良くしてくれる？」

「・・・うん！もちろん！！」



私は少しでも変われたのかな？

少しでも自分の気持ち伝えられるようになったかな？







うん。変われた。

自信を持って言える。

だって、昔と違って世界が輝いて見えるから。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　END ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2010-10-06T18:29:44+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
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		<title>花園・バルコニー・仮面</title>

		<description>そこは一面花で一杯の花園。その中に１人…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ そこは一面花で一杯の花園。その中に１人の女の子の姿があった。名は鈴蘭。

「キレイ。」

「鈴蘭。」

「誰？」

鈴蘭の前に現れたのは仮面を被った怪しい人。

「久しぶりだね鈴蘭。さぁ思い出して俺の名前を・・・。」

怪しい笑み。その仮面の男が私に近づきキスをした。






「！！！」

窓からは朝日の光が零れていた。

「ゆ・・・め。・・・夢か。」

鈴蘭はリビングへと向かう。私は１人暮らしだ。毎朝お花に水をやるのが日課。




「嫌な夢だったな。」





「鈴蘭、おはよう。」

「おはよう。今日は早いね。いつも遅刻ギリギリなのに。」

「おう！今日は特別だ！」

「へぇ～。」

この朝から元気な男。隣に住む光。

「何だよ。冷たいな。昔からの仲なのに・・・。

「・・・。言いたかったら言っていいよ。」

そう、昔からの仲とは幼稚園の時から今の高校まで今のところずっと同じところ。

「そういえば朝からいつもより元気ないな。」

「え？分かる？」

「そりゃいつも見てるから。」

「そうだよね。実は、今日嫌な夢見たの。」

「どんな？」

「最初は一面花で一杯の花園に私だけが居て、後から仮面を付けた人が現れて・・・う゛っ。」

「現れて？」

少し頬を膨らませる鈴蘭。

「キス・・・された。」

「キ・・・キス！？」

「うん。」

「・・・あれ？昔もこんな話聞いたな。」

「え？」

「小さい時も見て無かったか？」

「・・・う～ん。でも、夢で『思い出して、俺の名前を・・・。』って言ってた。」

「へぇ～。で？」

「で？？」

「そいつ見てかっこいいとか思ったわけ？」

「え？ううん。怪しい人。」





今日の授業はやけに眠気に襲われた。

「何で今日、こんなに眠いの？」

バルコニーで風に当たる鈴蘭。

「帰る前に・・・少し・・・ね・・て・・。」

意識はすぐに暗い闇へと落ちていった。




「ここ・・・。」

「酷いな。久しぶりの再会の第一印象が怪しい人だなんて。」

「あなた今日の夢の・・・夢？」

「ああ。夢だ。だけど夢じゃない。」

「どういう意味？」

「さぁ。それは俺の名前を思い出したらご褒美に教えてあげるよ。」

「え？ちょ・・・！」






「待って！！」

鈴蘭は赤く染まった夕空に手を伸ばしていた。

「大丈夫か？」

顔を覗き込んでくる光。

「ひ・・かる。」

「何かあった？」

「・・・夢。・・朝見た夢を見てたの。」

「あの怪しいやつ？」

「うん。」

「また何かされたのか？」

「夢だけど夢じゃないって・・・。その理由を聞こうとしたら名前を思い出せって・・・。」

「名前・・・。なんか普通の名前だったよな？」

「・・・うん。」

「り・・・りゅ・・？」

「・・・。」

【・・・せい！】

もっと思い出して！！

【流星！！】

「！！！」

「鈴蘭？思い出したのか？」

「うん。」

「で？」

「流星・・・。」

「あ～。」

「このこと考えてるだけで家に着いちゃったね。」

「じゃ明日な。」

「遅刻しないようにね。」

「・・・なぁ・・。」

「ん？」

「今日、特別だって言ってたあれな・・・。俺、鈴蘭のこと・・・。」

「うん。」

「いや、何でもない！」

そう言うと家の中へと入っていった。






「やっと思い出してくれたんだね。」

「うん。」

「じゃ約束。夢であって夢じゃないのは・・・ここは鈴蘭の世界・・・鈴蘭はここの住人でもある。」

「それはそうでしょ？」

「でも、夢だったら傷みとかそういうの感じないんだ。でも、記すの感覚、感触はあっただろ？」

「！！！」

鈴蘭の顔を上げる。

「俺たちの約束・・・忘れた？」

「え？」

「・・・。」

仮面ではっきり表情は分からないけれど、少し悲しんでいるように思えた。

「ごめん・・・なさい。」

「思い出して、俺のこと全て思い出して・・・そしたら鈴蘭は・・・。」

途中で目が覚めてしまった。





光はもちろん遅刻の可能性は大だ。

「流星・・・。」

夢の中で言われたこと、流星を悲しませてしまったことで思い出そうとしていた。責任を感じていた。そのために、私は・・・


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　事故にあってしまった。

「鈴蘭？どうしてこんな時間にいる？」

「え？私・・・登校してて。！！事故に・・・合って・・・。」

「！！！」

「その時、思い出したの・・・流星とのこと。」

「それで？」

「私・・・。ここにいたい。流星と一緒にいたい。でも・・。」

「でも？」

「現実の世界も私は好きなの。」

「でも、夢で久しぶりに俺に会えたって事は鈴蘭は俺のことを求めていたってことだ。」

「・・・え？」

「昔、会った時は鈴蘭は６歳だったな。」

「うん。」

「いつも泣いていた。お母さんとお父さんが居なくなってからずっと。」

「うん。」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＊
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＊
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＊

私は泣きながらいつも寝ていた。そんなある日。

「どうして泣いてる？」

仮面を付けた男の子がいた。

「お父さんと、お母さんが居なくなっちゃったの。こんなにきれいなお花。鈴蘭の好きなお花があるのに・・・涙が・・とまら・・ない。」

泣いている私を優しく包み込む男の子。

「俺がそばにいるよ。」

「う～。」

「俺は流星だ。よろしくな鈴蘭。」




「流星！！流星！！」

「鈴蘭。」

「今日は何処行くの？」

「・・・。」

流星はじっと私を見ていた。

「流星？」

「前よりも元気になってきたな。」

「え？うん！流星のおかげ！」

「・・・。」

少し寂しそうな表情をしているように思えた。




その日をきっかけに流星と会えなくなってしまった。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＊
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＊
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＊

その日の最後に私、【流星のお嫁さんになる】って言ったんだ。

「流星・・・。」

「いいよ。でも次に夢で俺が出てきた時は俺の嫁になってもらうからな？」

「・・・うん！！」

「さぁ意識を取り戻すんだ。」

「ありがとう流星。大好きだよ！」





目をうっすらと開ける。日の光が眩しく視界が定まらない。

「鈴蘭！？」

「ひか・・・る？」






目を覚まし、数日後で退院。

「そんなことがあったのか。」

「うん。」

事故に遭ってからの夢を教えた。

「最後に初めて仮面の下を見た。顔を見た。とても優しい顔だった。」

「そうか・・・。俺の会は実らないな。」

「へ？」

「いや、なんでもない。」

「そう・・・。また、流星に会えるかな？」

「・・・会えるさ。忘れずに流星を求めたら。」

「うん。」





　　　　　　　　　　　　　　　　夢のような恋。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　今はこっちを選んでしまったけれど・・・・
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　きっとまた貴方に会えるよね？









　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　流星・・・。







　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｆｉｎ ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2010-09-19T11:23:02+09:00</dc:date>
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		<title>田舎・コーヒー・舞踏会</title>

		<description>僕は、ブラック。森の中にある一軒の家に…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 僕は、ブラック。森の中にある一軒の家に住む僕。もちろん１人暮らしだ。その家は『ｆｒｉｅｎｄｌｙ　Ｃａｆｅ』（和やかな喫茶）というコーヒー専門のお店だ。



この物語は田舎の男、ブラックがおいしいコーヒーを世界に広める話・・・。そして・・・。



“カランカラン”

「いらっしゃいませ。」

いつもの日常。いつもと変わらない生活。そんな日々が続くと思っていた。

「こんにちは。」

今日は新しいお客さん。もちろん常連のお客さんもいるけれど。

「何になさいますか？」

「コーヒーとサンドウィッチをください。」

「はい。」

その女性は窓辺の席に座った。とても高価な服を着ており、まるでお人形のような女性。窓辺の席はとても似合ったいた。僕はきっとこの女性はコーヒーを飲む姿も映えるのだろうと思った。





「お待たせしました。」

「わぁ～。おいしそう。」

その女性はまずコーヒーを一口飲んだ。

「コーヒーってこんなにおいしかったんですね。こんなにおいしいって思ったの初めてです。」

「それは良かったです。」




「ご馳走様でした。また、来ますね。」

女性はそう言って店を出て行った。

「可愛いね。あのお嬢さん。」

常連の老人が話しかけてきた。

「そうですね。」

「お前さん、まだ独り身だったな。あの子なんてどうだ？嫁さんに。」

「僕にはもったいないですよ。それに僕には、このコーヒーを世界に広めるという夢があるから・・・。それが叶ってから考えますよ。」

「そうかい？」

老人はコーヒーを口に運ぶ。





それから女性が言っていた通り、あれから毎日来るようになった。

「こんにちは。」

「あなたももう常連さんになりましたね。」

「はい。」

笑顔で答える女性。いつも座る窓辺の席ではなく、今日は僕の近くのカウンターに座った。

「今日はどうしてここに？」

「マスターとお話がしたかったの。」

今は常連の老人は来ておらず２人だけだった。

「マスター、名前は？」

「ブラックと申します。」

「ブラックさん。私、ティーチと言います。」

「ティーチさんですか。可愛い名前ですね。」

「ありがとうございます。ブラックさんは１人でお店を出しているんですか？」

「はい。」

「すごいですね！こんなおいしいコーヒー１人で・・・わぁ～。」

目をキラキラさせるティーチ。

「ティーチさんはどのようにこのお店を知ったんですか？」

「恥ずかしいんですけど、家を飛び出して森に迷い込んでしまって。その時にコーヒーの香りがしてきて、ここに辿り着いたんです。」

「ここってそういう人が来るような店なんですよね。あの老人の常連さんも道に迷ってコーヒーの香りでここに来たとか・・・。」

「他の人は・・・？」

「まだ２人しか来てません。」

「もったいないですよ！・・・そうだ！私にいい考えがあります。少し時間がかかりますが、ブラックさんのコーヒーを世界に広めましょう！」

「え・・・え？」




それからティーチは時々来るようになった。それのせいか、僕はティーチを待つようになっていた。

“カランカラン”

「ティ・・・あ。いらっしゃいませ。」

「おお、今日はあのお嬢ちゃんは来ておらんのか。」

「はい。」

「自分の気持ちに素直になりなさい。」

僕は何を言っているのか最初は分からなかった。

「自分の・・・気持ち？」

僕は自然に自分の胸に手を当てていた。それを見た老人は笑顔でコーヒーを飲んでいた。





「こんにちは。」

「いらっしゃいませ。」

「準備できましたよ！」

そう言うと僕に封筒を差し出してきた。

「これ・・・は？」

「招待状です。」

その招待状にはこの辺りで有名な貴族の名が書き記されていた。

「招待状・・・。」

「これで皆さんにブラックさんのコーヒーを知ってもらえますね。」

「ティーチさん。ありがとうございます。」

ティーチさんの顔が少し赤みが掛かっているように見えた。





「今日もとってもおいしかったわ。ご馳走様でした。」

彼女が立ち上がり、出口へ向かう。

「あ・・・あの！」

「はい？」

僕は勇気を振り絞った。

「僕には夢があります。」

「夢？」

「はい。僕のコーヒーを世界に広める夢があります。もし・・・もしその夢が叶ったら・・・。」

「叶ったら？」

「僕と・・・結婚してもらえませんか？」

「え？」

彼女の顔は驚いたようにしていた。

「え、えと・・・。こんな私でよければ・・・。でも、私、ブラックさんに言っていないことがあるんです。」

「何かな？」

「私、この招待状にある主催者の血縁の者なんです。」

「道理で。」

「こんな私でもいいですか？私・・・貴族なんかよりもブラックさんが大切で・・・大好きなんです。」

「こんな僕でよければ。」





舞踏会当日。

僕は舞踏会の会場の人にコーヒーを出していた。

「あら、おいしい。これは誰が入れたの？」

「本当。おいしい。これはすばらしい。」

僕のコーヒーの評判は良かった。





「旦那様。」

僕は振り返る。そこには常連の老人が高価な服を着て僕の前に立っていた。

「お父様。」

「ティーチ、え？お父様？」

「いかにも、マスター。君には本当に感謝の気持ちで一杯だよ。こんなに楽しいパーティー、舞踏会は初めてだ。」

「あ、ありがとうございます。あの・・・それと日頃の無礼をお許しください。」

「いやいや、それより、君の夢は叶ったかな？」

「・・・はい！」

「他に言うことはあるかな？」

「・・・僕をこの場に呼んでいただきありがとうございます。そして、この場で言うのはなんですが、僕はティーチ様に恋をしました。そして先日結婚の申し出をしました。」

周りからは歓声の声が響き渡った。

「僕に・・・。」

「そんな堅苦しい話は良い。」

笑いながら僕の手を取る。

「私は嬉しいんだよ。こんな優しい男が私の娘の夫となるのだから。」

「では・・。」

「ああ。前から言っておっただろ？嫁さんにどうだと。」

優しい笑みで僕を見る。そんな顔を一瞬で変え、真剣な表情で述べた。

「ここにいる皆様方。今日、この舞踏会の日に娘であるティーチとこの男ブラックの結婚を認める。ここにいる皆様が証人となる！」

先ほどよりも大きな歓声だった。





誓いの言葉を述べ合った。

「では、誓いの口付けを・・・。」




僕の夢、僕のコーヒーを世界に広めること。

それが叶った今の僕にはティーチというお嫁さんができた。





今の僕はとても幸せな日々を過ごしています。










　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　これからもずっと・・・。






















　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｆｉｎ ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2010-09-19T10:19:30+09:00</dc:date>
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		<title>蛍・冬・本</title>

		<description>私は昔、おばあちゃんからこんな話を聞い…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 私は昔、おばあちゃんからこんな話を聞いた。

「鈴。蛍って知ってるかい？」

「うん。きれいな川にいてお尻のところが光るって虫でしょ？」

「そうだね。じゃ、冬の蛍は知ってるかい？」

「ううん。同じ蛍？」

「同じだけどね、少し違うんだ。その蛍は・・・。」





「夢・・・懐かしい、夢だったな。」

あれから７年。私は１２歳。小学６年生。おばあちゃんは私が９歳の時に病で亡くなった。

「冬の蛍・・・か。」

体を起こし、リビングへ向かう。

「おはよう。」

「おはよう、今日は早いね。」

妹の風香が迎えてくれた。

「おはよう風香。幼稚園終わったら今日は雪だるまか雪うさぎ作ろうか。」

「うん！」

「鈴おはよう。今日も風香よろしくね。」

「任せて、よし、じゃ風香。幼稚園に行こうか。」

「うん。」




「風香・・・おばあちゃんが穂とあるの話したの覚えてる？」

「蛍？おやつ？」

「・・・あ、虫さん。きれいな虫さん。」

「ううん。知らない。」

「そっかー。確か・・・！！！本！本だ！」

「え？お姉ちゃん？」

「あ、ううん。何でも無いよ。」

「風香ちゃん！おはよう！」

「おはよう！」

「行ってらっしゃい！」

「行ってきます！」

幼稚園の中へと駆けでして行った風香。




「これで授業終わります。」

休み時間となり、私は教室を出た。

「鈴～。遊ぼうよ！」

「ごめん、ちょっと調べ物。」

「そっか、頑張ってね！」

「ありがとう。」

私は図書室へと向かった。この学校の図書室はとても広い。

「無いな。」

諦めて教室に戻ろうと出口へ向かう。

「あ・・・れ？こんな扉・・・あったっけ？」

出入り口より一回り小さな扉。鈴は扉を開け中へ入る。

「きゃ！・・あう！」

何かにつまずき、その振動で頭に何かが落ちてきた。

「う～。ん？これ・・・。」

その本を開く。

「これだ！！」




「お姉ちゃーん！」

「風香。今日も楽しかった？」

「うん。早く帰って雪うさぎ付くろ！！」

「うん。」




「できた！」

「すごいよ。風香、１人で作れたね。」

「うん。だって先生と何回も練習したもん！」

「そっか～。」

鈴は風香の頭をなでる。

「あ、風香。お姉ちゃん、今日学校の図書室でね、おばあちゃんが話してた冬の蛍の本を見つけたの、おばあちゃんが何回も読んでくれた本。」

「本当！」



【小さな女の子は雪が大好きでした。

ある日、両親が別々に暮らすと聞き、女の子は家を飛び出しいつの間にか山奥の森の中で迷ってしまいました。

「お母さーん！お父さーん！」

女の子は泣きながら歩いていると目の前を小さな光が通り過ぎていきました。さっきまで泣いていた女の子は泣き止み、その光についていきました。その先には大きな木がありました。その周りには小さな光の粒が飛んでいます。

「わぁ～きれい。」

女の子は手を合わせ、一緒に暮らしていけますようにと願った。遠くからお母さんとお父さんの呼び声が聞こえてきました。女の子は駆け出しました。その後、別々に暮らす話は無くなり、幸せに暮らしました。】

「明日、休みだからお姉ちゃんあの山に登って蛍見つけてお願い事してくるよ。」

「風香も行く！」

「駄目だよ。まずお姉ちゃんが行って見つけたら行こう？」

「う～。」

「じゃ風香は何をお願いするの？」

「お母さんとお父さんにお休みをくださいって！」

「お姉ちゃんも同じ、じゃ、お姉ちゃんが代表として行くね。」

「うん！」




「じゃ、行ってくるね。お父さんとお母さんには内緒だよ？」

「うん。」

静かに出て行く鈴。

「よし！」







「あれ？どうしよう。迷っちゃった。」

歩いても歩いても森、木。

「どうしよう。」

晴れていたのに雪が降り始め、次第に吹雪となってしまった。

「お母さん、お父さん、風香。おばあちゃん。助けて。」

進むにつれて、雪が弱まった。





「風香！お姉ちゃんは？」

「ひ、秘密！」

「知ってるのね？」

「お姉ちゃんが冬の蛍さんに願い事しに行くなんて言わないもん！」

「冬の蛍？」

風香は両手で口をふさいだ。

「やばいぞ！今頃山は吹雪のはずだ！」

「鈴！！」






「う～。」

目の前を小さな粒が通り過ぎた。

「これって・・・冬の蛍？」

鈴はその光について行った。

「うわぁ～。」

そこは絵本に書いてあったような大きな木があり、周りには小さな光の粒が飛んでいた。鈴は両手を組み祈りをする。

「冬の蛍さん。お願いします。お父さんとお母さんに少しでもいいのでお休みをください。」

言い終わると辺りが光を増していた。光の勢力が弱くなると光は１つの大きな塊となり、人の形となる。

「お・・・ばあちゃん？」

おばあちゃんは何も言わずに歩き出した。鈴は慌てて追いかけた。




「鈴！鈴～！」

「お姉ちゃーん！」

「お父さん。」

不安を隠せないお母さん。

「大丈夫だ。」

「鈴！」

「おばあちゃん！私、冬の蛍見つけたよ。」

笑顔を見せるおばあちゃん。でも、一言もしゃべってはくれない。

「鈴～！」

「あ！お父さんとお母さんの声！」

「おねぇぢゃん～！わぁ～ん！お姉ぢゃ～ん！」

今にも泣き出しそうな声で叫んでいる風香。

「おばあちゃん、行こう。」

鈴はみんなの許へ走っていった。




「お母さん！お父さん！」

「鈴！！」

「鈴！」

「お姉ちゃん！」

“パシン”

お母さんが私の許へ来て手を振り上げ私の頬に鈍い痛みがはしった。

「何処行ってたの！？こんなに吹雪いてるのに！心配したんだからね。」

次の瞬間鈴はお母さんに抱きしめられていた。

「ごめ・・・んなさい。ごめんなさい！！」

安心したからか鈴は泣き叫んでいた。



家に帰りどうして山奥へ行ったのかを話した。

「ありがとう。でもね、もうこんなことしちゃ駄目よ？」

「はい。」

「で、お姉ちゃん。見つけたの？」

３人とも私を見る。

「うん。とてもキレイだった。後ね、おばあちゃんに会ったの。」

「そうか。」

「うん。おばあちゃんに帰り道教えてもらったのでも・・・。」





「おばあちゃん、お母さんたちいたよ！」

振り返ると、そこには誰の姿も無かった。

「おばあちゃん？」

【早く行きなさい。皆が待ってるよ。】

「おばあちゃんも行こうよ！」

【ごめんね。おばあちゃんは鈴ちゃんと一緒に帰れないの。】

「ヤダ！」

【今度、また会いましょう。今度は晴れた日に皆でね。】

「約束だよ？」

【ええ。】





「おばあちゃんに感謝しなきゃね。」

「よし、今度休みができたら行こう。」

「うん。」





私たちはお父さんとお母さんが休みを取ることができ、おばあちゃんに会いに行くことになった。




「おばあちゃん！」






この物語は、小さな女の子が冬の蛍にお願い事をしに行く話し・・・。




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｆｉｎ ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2010-09-18T15:40:37+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://kaien.web.wox.cc/novel/entry41.html">
		<link>https://kaien.web.wox.cc/novel/entry41.html</link>
		
				
		<title>鳥籠・鍵・影</title>

		<description>僕はフロッシュ貴族の中のただ１人の子供…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 僕はフロッシュ貴族の中のただ１人の子供だ。名前はバード。５歳だった僕は好奇心豊富な子で、いつも屋敷内を冒険したりして遊んでいた。

そんなある日、僕は小さな扉を見つけた。そこは屋敷の隅にある塔だった。僕は目を輝かせた。わくわく、ドキドキしながらドアノブを手にかけた。開ける。そこには・・・。




ただの物置部屋だった。

「つまんない・・・何か無いかな？」

扉を開ければ違う世界っていうのを期待していたバードは落ち込みながら辺りを見回した。

「ん？」

バードは１つの大きな置物に釘付けになった。

「何だろう？」

ゆっくりバードはそれに触れようと手を伸ばす。

「いけません！坊ちゃん！！」

ビクつくバード。

「これに触れてはなりません！」

「ごめんなさい。」

ジーは僕を抱き上げこの物置部屋から出た。でも、僕は見てしまったのだ。




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そのモノの姿を・・・。




「坊ちゃん。もうあの部屋には入ってはなりませんよ。」

「はい！・・・ジー、さっきね、あれに誰も触れてないのに戸が開いて僕の姿をした人が手招きしてたんだ。」

「！！！」

「ジー？」

「バード坊ちゃん。貴方は今日からこの屋敷の敷地内から出てはいけません。」

「え？」

「坊ちゃんがあの鏡を封印するための鍵を見つけ出さなければなりません。」

「どこにあるの？」

「この屋敷内としか・・・。」

「僕頑張る！！」



あれから１０年、僕は１５歳になった。

「相変わらず、よく探し回るな。バード。」

「いいの！宝探しみたいで好きでやってるんだから！」

「あっそ。」

「ねぇシャドウ。鍵の場所どこか知ってる？」

「おい！楽しんで探してるんじゃねぇのかよ！てか、シャドウって呼ぶな！」

「いいじゃん。長い付き合いなんだし。」

「勝手にしろ！」

「あ、分かったシャドウ。君、今僕に構ってほしいんでしょ？」

笑顔を鏡の中のもう１人の自分、シャドウに向ける。

「あ？そういうわけじゃねぇし。・・・お前、考えたことないか？」

「ん？何を？」

「どうして鳥籠みたいな家の中に閉じ込められてるか。」

「さぁ・・・考えたことも無かった。」

「だろうな。別に鍵が無くても出れるんだぞ？」

「そうなの？」

「どうだ？出たいと思ったか？」

「・・・わかんないや。」

「・・・でもな、出る時、俺もお前と共に行動するんだ。」

「どういう意味？」

「バード・・・お前の影となって。」

「それだけ？それだけで、僕は外に出ちゃ駄目だったの？」

「やっぱ出たいんだ・・・。まぁ理由があるからな。」

「何か言った？」

「いや・・。」





「何処へ行かれるのですか？坊ちゃん！」

「えっと・・・。」

僕はあっさり見つかった。

「馬鹿だな。」

僕の近くにある鏡からシャドウは僕を馬鹿にする。シャドウは僕の近くにある鏡なら物置にある鏡では無くても存在することが出来る。そんなシャドウを僕は睨みつける。

「バード様。今の貴方様が街に行かれると大変なことになるのです。」

「うん。それは何回も聞いた。でも、僕が知りたいのはそんなことじゃない！」

部屋が静まり返る。

「僕が知りたいのはその先なんだ。その大変なことって何？」

「・・・バード様がバード様で無くなってしまうからです。」

「・・どういう意味？」

「はい。その鏡の中にいるシャドウがバード様の体をのっとり、人を襲う恐れがあります。」

「本当なの？」

「・・・ああ。」




「ねぇシャドウ。本当のこと言ってくれないかな？」

「何のことだ？」

呆れたように返事をするシャドウ。

「何かあって人に手を出したとかじゃないの？」

「何でそう思うんだ？」

「だってもう１０年も一緒だよ？」

「それが？」

「僕だってシャドウのことはだいぶ分かるようになったし・・・それにシャドウも僕のこと分かるんでしょ？」

「・・・まぁな。・・・しゃない。話、長くなるけどいいか？」

「もちろん。」

シャドウから柔らかい笑みが零れた。

「あれは今から１００年前のこと、ここの主が鏡、俺を見つけ購入した。娘のミラーの誕生日に俺を渡した。」

「・・・もしかしてその時シャドウは女になってたの！？」

「！！！・・・こほん。ミラーもバードと同じ反応してたよ。本来俺は男でも女でもない。でも、こんな俺でもミラーもバードも俺のことを友のように相手をしてくれた。」

「当たり前だろ？」

「いちいち口を挟むな！黙って聞け！ったく。その時のミラーは自由に外に出かけたりしていた。もちろん俺も一緒にな。」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＊
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＊
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＊

「ねぇシャドウ。見て！これとてもキレイよ！」

ガラスケースの中にあるきれいなモノに目をキラキラさせるミラー。

「そうだな。」

シャドウは辺りを見回す。

「ミラー。体借りるぞ。」

「え？うん。」

俺は急いで走って家まで戻った。帰ろうとした。でも・・・

「お嬢ちゃん。君、あのフロッシュ貴族の娘さんだね？」

「・・・。」

「答えろよ！」

【シャドウ、代わって。】

あの時代わってやるんじゃなかった。なんとしてでも、ここから逃げ出せばよかった。

「そうです。私は、フロッシュ・ミラーです。」

「じゃ、大人しく付いて来てもらおうか。大人しくしてれば何もしないから。」

「・・・はい。｣

【おい！】




もちろんミラーは監禁された。俺は耐え切れなくなって本人の意思は関係なく体をのっとった。そして、その家を放火した。もちろん、後のことなんざ考えてなかったから、街も燃えた。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＊
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＊
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＊

「でもさ、それって、そのミラーって子を守ろうとしただけだよね？」

「・・・。」

「・・・。」

２人に沈黙が訪れる。

「俺も、お前も本当に鳥籠の中にいるようだな。」

「そうだね。家が鳥籠か・・・。ねぇ、シャドウ。僕は鳥は自由であるべきだと思うんだ。」

「それが？」

「僕らは鳥で、ここは鳥籠の中。じゃ自由に羽ばたかなきゃ！！」

「でも、どうやって外に出るんだ？」

「あー。玄関から・・・。」

「馬鹿か？お前さっきそこで見つかっただろ？」

「じゃどうすればいいのさ。」

「窓から出るんだ。紐をたらして。」

「そっか！」

僕らは見つからずに屋敷を出ることが出来た。




「わぁー！久しぶりの街だ！！」

「わぁ～ん！お母さ～ん！！」

店の角から男の子の泣き声が聞こえそこへ２人は向かう。

「どうしたのかな？お母さんとはぐれちゃったの？」

「う・・・うん。」

「じゃお兄ちゃんと一緒に探そうか。」

「うん。」




その子のお母さんを見つけたのは日が暮れかかっている時だった。

「遅くなっちゃったね。」

「そうだな。」

「今頃、屋敷の中騒がしいだろうね。」

「いいんじゃねぇの？」

急にバードは静かになり、真剣な顔になる。

「ねぇシャドウ。誰か居る？」

「そうだな。２人・・いや３人か。」

それを聞いた途端走り出した。

「逃げなきゃ！１人だったら別だけど、３人とか相手・・・僕じゃ無理だし！」

「だな。だが、その時は俺が・・・。」

「駄目だよ！折角何も無く帰れるのに！」

「だがなぁ・・・。」

「大丈夫!近道に抜け道があるから。」

入り組んだ道をスルスル通って行く。

「つ・・・いた。」

「坊ちゃん！何処へ行っていたのですか！」

「ごめん。ジー。でも、僕が外出ても何も無かったでしょ？」

「しかし・・・。」

「シャドウ。本当のこと教えてあげなよ。」

「・・・。」

「坊ちゃん？」

「・・・俺はシャドウ。」

「！！！」

「俺はわけあって１００年前の事件を起こした。」

事情を知り、ジーは理解をしてくれた。



「ありがとな。」

「どうしたのさ。シャドウらしくないな。」

「うるせぇ。・・・でも、本当にありがとな。」

バードは鏡に映る自分に笑顔を向ける。

「・・・本当、ミラーとバードはそっくりだ。」

「１００年前なんだから、もしかしたら生まれ変わりかもね。」

「かもな。」

その夜２人は笑いあった。




それから１０年後。

「誰かその人捕まえて！！」

「シャドウ行くよ？」

「おう！」

バードの体を借りたシャドウがその人の前に飛び出し取り押さえる。周りからは歓声の声が響き渡る。

「ありがとうございます。」

「いえ。」

「ねぇあの子。貴族のフロッシュ・バード様ではありません？」

「そういわれてみれば。」

「街のために働いてくれるなんて、何て優しい紳士なのかしら。」




「シャドウ。落ち込まないでよ。」

「うるせぇ。」

と、日々このように平和にシャドウと共に暮らしている僕。


シャドウと会わなければ、今の僕は居なかっただろう。



今は、そう思えるほど幸せだ。






　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｆｉｎ ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2010-09-17T21:49:47+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://kaien.web.wox.cc/novel/entry40.html">
		<link>https://kaien.web.wox.cc/novel/entry40.html</link>
		
				
		<title>珠紀×祐一×千鶴×一</title>

		<description>出逢うべき出会い

季節は冬。ロゴスと…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ <span style="font-size:xx-large;">出逢うべき出会い</span>

季節は冬。ロゴスと戦い、鬼斬丸を再び封印することが出来、平和な学校生活を送っている春日珠紀。

「あ、いた。」

静かな図書室。窓から夕日が差し込み１人そこに立って本を読んでいる姿があった。

「祐一先輩。何読んでるんですか？」

今まで珠紀に気付いていなかった祐一だが驚いた表情を見せない。しかし、珠紀には分かっていた。

「斎藤一物語を読んでいた。」

「どんな話なんですか？」

珠紀が本に触れようとすると祐一はその本を投げた。

「え？」

「少し、隠れてろ。」

本が光出し、その場に２人の男女の姿が現れた。

「え？ええ！？」

珠紀は何が何だか分からない状態。

「ここは、いったい。」

「私たち、確か一緒に・・・。」



「千鶴。」

「はい。」

「その・・・散歩でもしないか？」

「はい！」

外はまだ肌寒く、一面真っ白だった。

「久しぶりに一さんと一緒に雪うさぎを作りたいです。」

「そういえば、作ったな。」

２人は葉っぱや赤い実を捜していた。



「久しぶりに遊びのようなことをすると疲れてしまいましたね。」

「少し横になろうか。」



「・・・で、寝てましてよね？」

「ああ。・・・しかし・・・。」

ふと珠紀と目が合う２人。

「あの・・・。」

「祐一先輩。」

助け舟を求めたが・・・、

「すー・・・。」

祐一は、寝ていた。

「ゆ、祐一先輩！！」

「あ、すまん。」

「あの・・・ここはどこですか？」

「季封村の紅陵学院高校の図書室です。」

「あ、私、ゆ・・・斎藤千鶴と申します。」

「俺は斎藤一だ。」

「私は、玉依姫・・・巫女の春日珠紀です。」

「俺は狐邑祐一だ。」

「・・・。」

一と祐一は無言で見合っていた。

「は・・・一さん？」

「祐一先輩？」

「この者からただならぬ気配を感じる。」

「・・・すー・・・。」

「ゆ、祐一先輩！」

「大丈夫みたいですよ？」

「あの、お２人に伺いたいことがあるんですけど・・・。」

「はい？」

「２人からは人とは思えないものを感じて・・・。」

「・・・。」

珠紀に優しい笑みを見せる。

「はい。私は鬼です。」

「俺は変若水ってのを千鶴を守るのに・・・自分の使命を果たすために飲み、鬼のなりそこないとなった。」

少し落ち込んだ様子の千鶴。それに気付いた斎藤はあたふたし始めた。

「とりあえず珠紀の家に泊めてやれ。」

「はい。」

「あの・・・私からも質問してもいいですか？｝

「はい。」

「２人はどういう関係ですか？」

「・・・恋人だ。」

「ゆ、祐一先輩！？」

「違うのか？」

「い、いえ。」

顔を真っ赤にする珠紀。


「お稲荷さん。」

祐一の大好物のお稲荷さんが有り、少し目を輝かせていた。

「弧邑さんは、お稲荷さんが好きなんですね。」

「斎藤さんにはあるんですか？」

「・・・豆腐。」

「・・・。」

「珠紀さんは？」

「私ですか？う～ん。甘い物です。」



「何だかロゴスとの戦いが始まる前の賑やかさを思い出しますね。」

縁側に並ぶ珠紀と祐一。

「・・・すー・・・。」

「・・・あ、やっぱり。」

少し呆れた顔をするがすぐに微笑みと変わり、掛け布団をかけてあげた。

「どうやったらあの２人は、帰れるのかな？」



「千鶴・・・。」

「はい。」

「俺は１日でも刀を構えないことはあっただろうか？」

「多分、今日だけですね。」

「たまには、こういう日もあってもいいものだな。」

「・・・はい！」

満面の笑顔を一に見せる千鶴。

「も・・・もう寝るとしよう。疲れただろう？」

「はい。」

２人は眠りに付いた。



その頃、珠紀たちも２人寄り添って眠りについていた。



「ん・・・。ここ・・・一さん。」

「千鶴か・・・。ん。戻って来れたようだな。」

「・・・やっぱり、あれは夢では無かったんですね。」

「そういうことだな。」

「なんだか、またこんな日があってもいいですね。」

「そうだな。」

やわらかく笑う一だった。



「ん・・・。祐一先輩！」

「・・・。珠紀か。」

「２人の気配が無いです。」

「・・・帰ったんだろうな。」

「・・・。」

「そう寂しそうな顔をするな。俺がお前の傍に居る。」

「はい！」

嬉しそうに返事をする珠紀だった。

「星・・・きれいだな。」

「あの２人もこんなきれいな星空を見てたらいいですね。」

「ああ。」




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｅｎｄ ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2010-09-11T21:55:55+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://kaien.web.wox.cc/novel/entry39.html">
		<link>https://kaien.web.wox.cc/novel/entry39.html</link>
		
				
		<title>珠紀×真弘×千鶴×平助</title>

		<description>出逢うべき出会い

「平助君大丈夫？」…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ <span style="font-size:xx-large;">出逢うべき出会い</span>

「平助君大丈夫？」

「ああ、千鶴こそ大丈夫か？」

「うん。」

千鶴と平助は羅刹だけの国を創ると言っている山南さんを止めるために今、走り続けていた。

「に、しても・・・。」

２人を取り囲む羅刹たち。

「平助君。」

心配そうに名を呼ぶ千鶴。

「大丈夫だ。離れるなよ？」

「うん。」



「早くしてください！」

「うっせぇな！分かってるって。」

「真弘先輩が調べ物をしたいって言うからこうしておばあちゃんに見つからないように来てるのに・・・。」

「悪かったな。」

「え？」

「ほら、行くぞ！」

「ちょっ・・・ちょっと！」



「主来たれり。」

蔵の扉が開き埃っぽい中へ２人は入って行く。

「しっかし、相変わらず埃っぽいな。ここは。」

「そうですね。」

お互いそう言いつつもどうやってロゴスを倒すか、どうやって玉依姫の力を覚醒させるかを調べていた。

「ん？」

珠紀がある本に目をやる。

「藤堂・・・平助物語？」

パラパラとページをめくっていく。

「藤堂平助と雪村千鶴は羅刹に取り囲まれていた。千鶴が助けを願った途端光り、白い世界になり・・・きゃ！！」

本を読んでいた珠紀の目の前に丸い光の塊が現れ、そこには２人の人の姿があった。

「珠紀！？」

「真弘先輩。」

「誰だ。こいつら。」

「この本を読んでいたら・・・現れて。」

「とりあえずこのことをババ様に言って２人を家の中に入れてやれ。」

「はい。」



「ん？ここは・・・。」

辺りを見回す千鶴。

「ん～。」

声のする方へ目をやると、そこには平助の姿があった。

「へ、平助君。お、起きて！」

「ん～？あ？千鶴・・・。ってここ何処だよ！？羅刹は！？」

２人とも何が何だか分からずに動揺していた。そこにスッと襖が開き、女の子が顔を覗かせた。

「あら。珠紀様。お２人方目を覚ましましたよ。」

女の子はそう言うと千鶴たちに会釈をし、その場を離れて行った。

「平助君。」

心配そうに平助を見る千鶴。

「心配するな。何があっても俺がお前を守る。」

「ありがとう。」

安心からか、やわらかい笑顔が零れた。そんな和やかな時を邪魔するかのように、ドタドタと五月蝿い足音が聞こえ、平助は刀を構える。

「俺の後ろに。」

「うん。」

襖が開いたのを合図に平助は切りかかる。

「う、おう！」

その男は腕で平助が振りかざした刀を受け止めていた。

「なっ！」

「あっぶねぇな！！助けてやっていきなりこれかよ！」

「あー！真弘先輩！何やってるんですか！」

「ちげーよ！こいつらから切りかかってきたんだよ！」

子供くらいの男が女にギャーギャー喚いていた。

「ごめん。まさかこんな小さな子供だとは思わなくて・・・。」

「ま、真弘先輩。お・・・落ち着いて。冷静に・・・。」

「冷静でいられっかー！ガキ扱いすんな！」

「あの・・・助けていただいたみたいで・・・ありがとうございました。」

「助けたと言うか、私が本を読んでいたら貴方たちが現れて・・・。」

「で、俺がこいつに家へ連れて行けって言ったんだ。」

「でも、まさか男の人が２人も現れるなんて・・・しかも、その格好・・・昔の人っぽいし・・・。」

「え？ここって・・・江戸じゃないんですか？」

「え？ここは季封村ですけど・・・。」

「季・・・封村？」

「ど・・・どうしましょう。真弘先輩。」

「ど、どうするって・・・まずは自己紹介だろ？」

「あ。あの、私玉依姫の春日珠紀です。」

「俺様は、鴉取真弘様だ！」

「私は雪村千鶴と申します。」

「え？私？」

「男でも私って使うやついるだろ？」

馬鹿にするように答える真弘。

「あ！そっか。」

「俺は藤堂平助。よろしくな。」

「藤堂平助って、新選組最年少の！？」

「え？ああ。」

「おい、珠紀これ絶対・・・。」

「タイムスリップってやつですよね？」

「お、おう。」

「あの・・・。とりあえず、お風呂沸いているのでどうぞ。」

いきなり２人の後ろから、先ほどの女の子が現れた。

「あ、この子は・・・。」

「言蔵美鶴と申します。」

「私は雪村千鶴と申します。」

「俺は藤堂平助。」

「あの、少しお尋ねしますが、お２人は夫婦なのですか？」

「え？美鶴ちゃん？」

「美鶴、こいつら男だぞ？」

また馬鹿にするように言う真弘。

「いや、その・・・まだそういう関係じゃ・・・。」

「まだ？そうなんですか？どうなさいます？一緒の部屋にしたままでもよろしいですか？」

平助は千鶴を見る。

「・・・はい。」

平助は少し驚いた様子で千鶴を見ていた。

「え？千鶴さんって女だったの！？」

「気付いていなかったのですか？」

「う、うん。」

珠紀と真弘は頷いた。

「大丈夫だよ。俺も最初土方さんが言うまで気付かなかったし。」

「それでは私は、食事の準備がありますので。」

美鶴はその場を離れて行った。

「あの・・・今、私たちの村では鬼斬丸の件で大変な時なんです。２人に何かあっては大変なので、ここにいてくださいね？」

「はい。」



「平助君、お風呂いい・・・！平助君！！もしかして・・・。」

部屋の真ん中で平助は苦しそうに蹲っていた。

「大・・丈夫。」

「駄目だよ！っつ・・・私の血を・・・！」

「・・・ごめんな。・・千鶴。」

「ううん。平助君が生きててくれるなら、私何でもするよ？」

「ありがとう・・・。」

光が２人を包み込む。

「真、真弘先輩？！何覗いてるんですか？」

「ちが・・・うっ！！」

「な、何？！」

光が溢れ、次第に収まっていった。しかし、そこには２人の姿は無かった。

「戻って行ったみたいですね。」

「ああ。」

珠紀は２人に出会ったきっかけの本を開く。そこには、『２人は無事、山南さんの元へ行き説得はうまくいかなかったが、最後に昔の山南さんに戻り、羅刹の国は創られずに２人は静かに暮らしていった』と書き綴られていた。

「私たちも諦めずに玉依姫として覚醒できるように頑張りましょう！」

「それでこそ珠紀だな！」

２人は自分たちの未来のために歩き出したのだった。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｅｎｄ
 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2010-09-11T21:07:53+09:00</dc:date>
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		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
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		<title>珠紀×拓磨×千鶴×歳三</title>

		<description>出逢うべき出会い



「わぁ～。やっ…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ <span style="font-size:xx-large;">出逢うべき出会い</span>



「わぁ～。やっぱりこの時期のこの紅葉が１番きれいだね。」

春日珠紀は鬼崎拓磨に言う。

「そりゃ・・・その・・・俺とお前との思い出の場所でもあるわけだし・・・。」

「うん。・・・色々あったよね。」

「ああ。」

やわらかい風の中、赤い紅葉が珠紀の手の中に収まった。

「う・・・。」

微かに頭に痛みがはしった。

「珠紀！大丈夫か？」

珠紀に触れた拓磨に伝染するかのように、２人は頭痛に襲われ、視界が霞んでいった。



「土方さん！見てください。きれいな桜ですよ。」

「おお、もうそんな時期か・・・」

土方の傍で柔らかな笑みを零す千鶴。

「おい、なんで笑うんだよ。」

「いえ、あの大変な日々を過ごして、鬼の副長とまで言われていた土方さんが、丸くなったと思いまして。」

「・・・うるせぇ。」

少し照れたように笑顔で土方を見る。

「ち・・・千鶴？」

少し顔を引きつったかのように千鶴に問いかけた。

「久しぶりに土方さんの俳句を聞きたいです。」

「だ・・・だから、あれはだな・・・」

強い風が２人を襲い、桜の花がいっぱい散っていた。

「・・・すごい風でしたね。」

「ああ・・・ん？」

土方は先ほどから見ていた桜の木の根元に目をやった。そこにはさっきまで誰も居なかった筈なのに、今まで見たことが無いような服を着た２人が寝ていた。

「土方さん？あの２人、何だか・・・」

「ああ・・・言わなくても分かってる。」

「きっと危ないですよね。どうします？」

「・・・連れて帰ろう。」

「はい！」

安心した笑みでへんじをする千鶴だった。



【これは・・・夢？あの時の夢だ。皆と一緒に戦ってきた時の夢・・・。】

「拓磨！！」

「・・・。」

隣で気持ちよさそうに眠っている拓磨の姿があった。

「夢・・・か。良かった。」

「起きましたか？」

聞き覚えの無い声にビクリとする珠紀。

「あ・・・安心してください。おびえなくて大丈夫ですよ。」

その言葉で珠紀は緊張の糸が解けた。

「あの・・・ここは、何処ですか？」

「蝦夷です。」

「蝦夷・・・蝦夷！？」

「・・・珠紀！無事か？お前・・・何者だ？」

「た、拓磨！落ち着いて。」

女性と珠紀の間に入って、その女性を睨みつけていた。

「あ、申し遅れました。私、雪村千鶴と申します。先ほども言いましたが、ここは蝦夷で・・・」

「でね、拓磨・・・私たち何だかタイムスリップみたいなのしちゃったみたい。」

「・・・うそ・・・だろ？」

珠紀は首を横に振った。

「え？・・た・・たい？」

「！き、気にしないでください！あは、あはははは。」

「千鶴、さっきのやつら、起きたのか？」

「はい。」

「あの・・・あなたは？」

「ああ、俺は土方歳三だ。」

「え！まじっスか？あの歴史上の、あの土方歳三っスか？」

急に真弘先輩や祐一先輩たちに向けて話すしゃべり方、敬語らしきものを使うようになっていた。

「そのこまけぇのはよく分からねぇが・・・そうだ。」

「珠紀が言ってた通りだな。」

「う、うん。」

「しかし・・・この格好だともし外に出るとなると、出れねぇんだが・・・千鶴、お前はこの子に服を貸してやれ。・・・そういやぁ、名前聞いてなかったな。」

「私、春日珠紀です。」

「俺は、鬼崎拓磨です。」

「じゃ、珠紀さんは私に付いてきてください。」

「あ、はい！」

「鬼崎は俺の貸してやる。」

「ありがとうございます。」



「珠紀さん、よく似合ってます！」

「あ・・ありがとうございます。」

「さ、鬼崎さんの元へ行きましょう。」

「はい。」

拓磨の元へ向かう途中、珠紀は決意をし、千鶴に問いかけた。

「私・・・玉依姫なんです。それで・・・」

「お姫様だったんですか！？」

「え？あ、き、聞いてください。」

「あ、すみません。」

「玉依姫と言ってもですね、巫女なんです。それで・・・２人からは人とは思えないものを感じて・・・。」

「・・・私は鬼なんです。」

「鬼！？じゃ拓磨と同じ・・・。」

「鬼崎さんも鬼なんですか？」

「鬼って言っても守護五家ってのがありまして・・・。」

「祖先から受け継がれた血なんですよ。」

「拓磨。」

「土方さん。」

「千鶴も聞かれたみてぇだな。」

「はい。」

「俺は、変若水ってのを飲んで羅刹・・・まぁ鬼のなりそこないになった。」

「私は元から鬼なんです。」

「そう、我ら鬼。女鬼は数少ない。今日こそ我が嫁として一緒に来てもらうぞ。」

「てめぇ、また来やがったな。」

「誰なんスか？」

「私と同じ鬼の一族の風間さん。あと、後ろの人は不知火さんと天霧さん。」

「拓磨、私たちも千鶴さんを守ろ！」

「当たり前だろ！」

「ダメです！普通の人とは違います！」

「そんなの相手にしてるんですよね？あの土方さんは。」

「天霧、お前はあの見たことの無い男をやれ。」

「分かりました。」

「不知火はあの女をやれ。」

「はいはい。」

「千鶴さん、私の後ろにいてください。」

「でも・・・危ないです！」

「諦めろ！女鬼。」

「危ない！！」

「大丈夫です！」

息を吸い込み、気持ちを整える珠紀。

「左青竜、右白虎、前朱雀、後玄武。扶翼・・・護身加持・・・急々如律令！！」

結界が姿を現す。

「すごい・・・。」

結界により弾は弾かれた。

「ちっ、なんだよあれは！おい、風間！」

「知らん。」

「略法！伏敵！急ぎ律令の如くせよ！」

お札から青い雷がはしって不知火目掛けて進んで行く。

「やった！」

「まだです。鬼はこれじゃ倒せません。」

「えっ？」

「その通りだ。しかし・・・これはきついな。」

「ふんっ、仕方が無い。引き上げるぞ。」

「おい！こら待てよ！おっさん！」

拓磨と戦っていた天霧は風間の一言で戦いを止め姿を消した。

「珠紀さんと鬼崎さん、２人ともすごいですね。」

「ああ、あいつらとほぼ互角じゃねえか。」

「それほどでもないっスよ。」

「そうですよ。」

「こんなこともあったから、今日は疲れてますよね？お風呂沸かしてあるのでどうぞ入ってください。」

「ありがとうございます。」



「ねぇ拓磨。」

「ん？」

「千鶴さんと美鶴ちゃんって何か似てない？」

「ああ、俺も思った。あと、風間ってやつと灰色頭。」

「遼？・・・そうかもね。」

「・・・しかし、俺たちどうやったら戻れるんだろうな。」

「・・・うん。」

そして二人は眠りについたのだった。




「・・・紀。珠紀！」

「ん。拓・・磨？」

「俺たち、ずっとここで寝てたのか？」

「蝦夷で千鶴さんと土方さんに会ったよね？」

「ああ・・・。とりあえず帰ろう。このままここにいると風邪引くぞ。」

「うん。」




「珠紀さん。鬼崎さん。おはようございます。」

襖を開けるとそこには布団が敷いたままのもぬけの殻だった。

「帰ってしまったようですね。無事に戻れたんでしょうか？」

「ああ、きっと。」

土方は千鶴を抱き寄せた。




「拓磨。きっとあれ、夢じゃなかったよね？」

「だろうな。あの天霧ってやつと戦った感覚が残ってる。」

「また、いつか会えるかな？」

「どうだろうな？」

「むっ！」

「冗談だよ。また、いつか会えるといいな。」

２人はあの２人と出逢った場所で今日もまた紅葉を眺めていた。





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｅｎｄ ]]>
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		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2010-08-12T10:57:47+09:00</dc:date>
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		<title>双子　泥棒　屋根裏</title>

		<description>僕ら2人は双子だ。兄のライトと弟レフ。僕…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 僕ら2人は双子だ。兄のライトと弟レフ。僕らはいつも一緒だった。でも、ある夜、アイツは来た。


１８７６年

「旦那様、あの怪盗タールが予告状を我が家に！」

「何が目的だ。」

「海王石です。」

「ねぇライト！！怪盗だって！」

「何そんなに喜んでんだよ。怪盗って泥棒で悪いやつなんだぞ！！」

「そのくらい知ってるやい！」


「ライト。レフ。今日は危ないから屋根裏で寝てくれる？」

「うん。」

「僕も海王石守るよ！」

「ライト・・・ありがとう。貴方の正義感は分かったわ。でも、危ないからあなたは弟のレフを守ってあげてちょうだい。」

「うん！！」

僕らは屋根裏で眠りについた。でも・・・。

「ん・・・。あれ？レフ？レフどこ？」

僕は一瞬トイレへ行ったのかと思った。でも朝起きても隣には居なかった。怪盗タールに海王石を持っていかれたと聞く。そしてきっと、あいつに弟のレフが連れ去られたと考えた。だから・・・


だから俺は日々勉強を頑張り怪盗タールから弟レフを取り戻すため、怪盗タール専門の警官になった。


「今日から怪盗タール専門課に就くことになりました、ライトです。」

「お前が・・・ふっ若いな。俺はガクだ。2人しか居ないがよろしくな。」

「はい！」

「さっそく来て何だが、タールの予告状がここにある。」

「今夜・・・ですか？」

「ああ。因みに、タールには弟子が１８７６年くらいからいる。小さな子供だったよ。」

「え？」

「今となったら・・・そうだな・・・お前くらいか？」

俺はこの時、何か・・・嫌な予感がした。


「出たぞ！怪盗タールだ！！」

「くそっ！」

「ガクさん!少し俺抜けます！」

「は？どこへ行く！？」

「怪盗の正体を見に！」

「ちょ・・・待ちやがれ！ライト！！」


「タール。今、ライトって言ってなかった？あの警官。」

「さぁな。それより、これを早く本当の持ち主に返してやらないと。」

「そうだね。」

俺は大切な家族、大好きだったライトよりも怪盗の道を選んだ。

「ここにくればもういいだろう。」

「そうだね。」

暗い森の奥からその声は聞こえた。でも、タールは俺と勘違いしているようだった。

「待ってタール！！これは俺じゃない！」

「ここに来ればお前たちに会えると思ったよ。な？レフ。」

「その声はやっぱり・・・ライト？」

「やっぱりレフか・・・。信じたくなかったのに・・・。レフ！何で怪盗なんかに！！！」

「・・・この人はいい怪盗なんだ！！」

「そんなわけあるか！俺の弟を誘拐したあげく、怪盗なんてやらせるやつが・・・。」

「違うって言って・・・。」

「もういい。それより早く元の持ち主に返さなくては・・・。」

タールが駆け出す。

「待て！！」

「ライトのわからずや！！」

は？元の持ち主に返すだって？持ち主は予告状を受け取ったやつじゃないって事なのか？


「お、ライト。帰ってきたな。で、どうよ。」

「・・・。俺の・・・弟が弟子でした。」

「あ？・・・お、お前！今・・・何て？」

口に銜えていたタバコが地面に落ちた。

「俺の弟です！小さい頃あの怪盗タールに誘拐されたと思っていた弟が、自分から弟子になっていたんです。」

「・・・。」

「・・・その2人がおかしなことを言っていました。」

「何だ？」

「あの2人、怪盗と言われているのにさっき『元の持ち主へ返す』とか言っていました。」

「確かに変だな。・・・予告状を受け取ったやつらの周りを調べてみる必要があるな。」

俺たちは予告状を受け取ったやつらの周りを調べてみた。そしたら、そいつらはそうとうな悪で俺たちはそいつらを逮捕した。

「なぁ、ライト。怪盗タール・・・お前ならやつをどうする？」

「どうするも何も、捕まえるに決まっているじゃないですか！！」

「だろうな。」

笑っていた顔が真剣になった。

「・・・お前の弟もか？」

「・・・当たり前です。ですが、これだけは言わせてください。これは俺、ライトと弟のレフの問題なので俺に任せてください！！」

「はっ。言うと思ったよ。いいぜ。どうせ担当は俺ら2人しかいないしな。」

「ありがとうございます！！」

それから俺たち兄弟は日々逃げたり追いかけたりを繰り返していた。レフも腕を上げ、俺も頭脳戦で今も俺は弟のレフを追い続けている。














でも、そんなある日。

「ガクさん。少し色々な資料見て怪盗タールの歴史を調べてきます。」

「あいよ！」

小さな部屋を出たライト。静かな廊下にコツコツと足音が響く。

「くっ・・・くくく・・・。」

笑いを堪えるライトの笑い声。

「ライトって催眠術効きやすくてよかったよ。」

そう言い残し警察署の中を歩き廻るのは弟、レフだった。





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ＥＮＤ ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2010-07-23T22:07:32+09:00</dc:date>
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		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://kaien.web.wox.cc/novel/entry36.html">
		<link>https://kaien.web.wox.cc/novel/entry36.html</link>
		
				
		<title>病院　死神　赤い糸</title>

		<description>あなたは『赤い糸』と言われたら『運命の…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ あなたは『赤い糸』と言われたら『運命の赤い糸』と頭に浮かぶと思う。


でも、僕の場合は『命を繋ぎ止める赤い糸』。


僕は月波　時（つきなみ　とき）。小学生なんだけど持病を持ってて学校には行ったことないし、ずっと病室にいる。でも、この日の夜は少し違った。


今日は珍しく寝付けずに夜空を眺めていた。

「今日も何も・・・！！」

月をバックに黒い物体が勢いよくこちらに向かっていた。

「これ・・・ヤバイって！！」

急いで窓から離れる。

“バリン！”

予想より遥かにハデに登場した黒い物体。でもその物体は僕と同じくらいの女の子だった。

「あれ？あれれれ？！」

その女の子は何かを探すようにあたりをキョロキョロしていた。でも、姿で惑わされてはいけなかった。

「月波　時君は？う～ん。死神リストにはここだって書いてあるのに。」

死神リスト！？僕は逃げることを考えた。それは誰でもそうするだろう？でも、僕の運は最悪だった。

“ガタン”

かすかな音が僕の病室に響いた。

「見～つけた♪」

その女の子は僕の目の前に現れカマを振りかざした。

「ま・・・待った！！」

その女の子はピタリと動きを止めてくれた。

「何？」

冷たい視線。でも僕は勇気を振り絞った。

「僕・・・遣り残したことが・・・あるんだ！だからお願い・・・。」

「時間を少しください？」

え？その女の子は笑顔で僕の言いたい言葉を言った。

「いいよ。ただし期間は・・・えっと、ところで何したいの？」

「え？あ、えと・・・学校に・・・行きたいんだ。」

「う～。じゃ期間は３週間。」

「３・・・週間。」

「不満？」

「そんな贅沢なこと言えないよ。」

その女の子を見ると申し訳なさそうな顔で僕を見ていた。

「じゃこれで契約。」

僕の小指と女の子の小指を絡ませる。まるで約束をするように。

「期限３週間。この約束は魂を狩られる者、『月波　時』と、狩る者『クレス・リジェット』。」

絡まれた小指を離すと、そこには赤い糸が僕ら2人を繋いでいた。

「これで逃げられないからね。」

「・・・ありがとう。クレス・リジェット。」

少し赤くなるクレス・リジェット。

「ク・・・クレスでいいよ！」


「すごい！今日退院してもいいくらいだ。」

「やった！」

僕は退院し、明日からいよいよ学校だ。


「お母さん。ここが僕が通う小学校？」

「そうよ。」

「ここ・・・。」

「どうしたのクレス？」

「な、何でもない。」

同様が隠せていないクレス。


「は・・・初めまして、月波　時です。」

拍手の音が教室中に響き渡った。友達も増え楽しく過ごしていた。

「残り・・・１週間か。」

「・・・。」

「クレス？あの学校行ってから様子が変だよ？」

「・・・うん。あの学校は・・・。」

「クレス。」

そこにはクレスより大人のカマを構えた死神が立っていた。

「先輩。」

「また、魂を狩らないつもり？」

また？

「・・・。私は・・・この子に決めたんです。」

「僕に・・・決めた？」

「逃げるよ！」

「え？ちょっ・・・クレス？」


「クレス！クレス！！」

ゆっくりと走るスピードを緩める。

「クリス？僕に決めたって・・・。」

「まず、こっちの話するね。」


「私ね、実はあの小学校に時くらいの歳まで通ってたんだ。」

「だからあの時あんなに動揺してたんだ。」

「うん。でね、私いじめに合ってて、もう辛くて・・・それであの学校の屋上から飛び降りちゃったの。」

「そ・・・んな。」

言葉に詰まる。

「で、今に至るわけですよ。」

笑いながら、でも悲しそうに笑っていた。

「笑い事じゃないよ！」

「そうだね。・・・すっごい我がままって言うか・・・何ていうんだっけ？・・・まぁ、私の分まで、私が開けなかった未来まで生きてほしいの。」

「それはかまわないけど・・・でも僕後１週間しか・・・。」

「だから決めたの・・・私の命と引き換えにこの者の未来を切り開け・・・。」

クレスは僕の額に優しいキスをした。僕の体は暖かい光に包まれた。

「時に会えて良かった。」

光が治まり、何処を探してもクレスの姿は無かった。


「やっほ！あの時の男の子。」

「あ、クレスの先輩。」

あれから６年が経ち、僕は中学１年生になった。そして今日が入学式。

「何ですか？僕、もう寿命ですか？」

「だと良かったな。」

少し悔しがっている様子。

「で？」

「・・・やっぱり言うの止めだ。ま、どうせ会うしな。」

人を止めておきながら何の用件も言わずに去って行ってしまった。

「何だよ。」

ふっと目の前を見るとあの女の子の姿があった。

そう、クレス。僕の目には涙が一杯だった。

「どうして？」

「先輩が神様に頼んだらしいの。私を人間として生きかえしてくださいって。でもね、私、実は生きてたの。ずっと、生死を彷徨ってて・・・。う～～～～。何て説明すればいいの？」

「そんなのどうでもいいよ！クレス・・・君の本当の名前は？」

「天使　未来（てんし　みらい）。」



僕の赤い糸は初めは命を繋ぎ止めるための糸だった。


でも、


今の僕の赤い糸は運命の赤い糸となっていた。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｆｉｎ ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2010-07-21T19:33:35+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://kaien.web.wox.cc/novel/entry35.html">
		<link>https://kaien.web.wox.cc/novel/entry35.html</link>
		
				
		<title>花火　坂道　時間</title>

		<description>「待った？」

「ううん。」


一人…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 「待った？」

「ううん。」


一人の男と一人の女は並んで学校に登校していた。

私、光瑠（ひかる）、高校３年生。隣を歩いている男は竜児（りゅうじ）。私と同じ学年で同じクラスで彼氏です。

私たちの恋の始まりは登下校時に使う坂道でした。

「はぁ～。この点数、お母さんに見せられないよ。」

テストの点を見ながら坂道を下っていた私。トラックがものすごいスピードで私の横を通り過ぎた瞬間。

「あ！！ま、待って！！」

テストが空高く舞い上がり前へ飛ばされていた。焦る私の目の前で男子学生が私のテストを捕まえていた。

「す・・・すみませーーん！！」

余計なことをしなくてもいいのに、私のテストを見る同じクラスの男。

それが竜児だった。

「げっ！！」

「くっ・・・光瑠・・・お前。」

私と竜児は小学校の時からの縁のため、名前で呼ぶ仲だった。

「み！・・・見ないで！！」

無理やりテストの紙を奪いたいのに背が違いすぎるため高く上げられるともう手遅れだった。

「じゃ、この質問に答えたら返してやる。」

「な・・・何？」

「光瑠は・・・好きなやついるのか？」

「へ？」

竜児の顔は少し赤くなっていた。

「そういう竜児はどうなのよ！」

「俺が質問してるんだ！これ返してほしくないのか？」

「い・・・いるよ！」

「・・・まじで？」

「は・・・早く返してよ！」

「誰だよ！」

「え？・・・ええ！いるかいないかだけじゃなかったの！？」

「・・・。」

私はこの時考えたの。これはチャンスなんじゃないかって・・・。だから・・・。

「・・・児。」

「あ？」

「竜児。」

竜児を指す。

「俺？」

「・・・うん。」

こうして小学生レベルの告白？で私たちは付き合い始めた。


それは高校１年生の時。あれから２年がたち、私たちは受験生。

「竜児って進路決まったの？」

「う？あ・・・あぁ。」

いつもと反応が違うと思った。それと同時に胸騒ぎもあった。聞くのが怖く、私は違う話題へと変えたのだった。


「ねぇ、光瑠。竜児君から何か聞いた？」

友人からの一言がきっかけで私たちの時間は止まったのだった。

「光瑠。」

そこにちょうど竜児が現れ、私たちは屋上へ向かった。

「竜児・・・。」

「俺、イタリアに行きたいんだ。」

「え？」

「イタリアに行って・・・もっと絵の勉強してきたいんだ。」

行っちゃ嫌だと言いたい。けれど私はその言葉を飲み込んだ。

「そ・・なんだ。イタリアってどこら辺だっけ？」

これが私の精一杯の返事だった。そんな私に気付いてか優しく抱きしめ場所を教えてくれた。場所を教えたところでムードぶち壊しなんだけどね。ふと、私は思った。私たちの関係はどうなるんだろうって。


下校はいつもの様に２人で帰っていた。ふと、道の掲示板を見ると明日に神社でお祭りが行われるという紙を見つけた。私は最後になる思い出にはいいなと思い、意をけして竜児を誘おうと思ったが・・・。

「光瑠。明日祭りあるって。行こう？」

「・・・うん！！」

やっぱり竜児から誘ってくるのだ。


「今日はいい思い出になるといいな。・・・これで・・・最後・・・か。」

「光瑠！時間いいの？」

「もう出る！」


神社集合。

神社の門にはすでに竜児がいた。私を探しているのかキョロキョロしていた。ふと目が合い、立ち止まっていた私は竜児の元へ歩き出す。

「ごめん。だいぶ待ったよね？」

「・・・そ、そうでも・・・ない。」

竜児の目は泳いでいた。

「行こうか。」

私に差し伸べる手を取る。

「うん！！」


「よし！光瑠が寂しがらないように金魚を沢山取ってやる！！」

ヨーヨーをたたきながら言う竜児の後姿を見ていた。

「早く来いよ！はぐれるだろ？」

「う・・・ん。」

私は今にも泣きそうだった。私たち離れていても関係は変わらないんだね。

「よし！やるぞ！！」

器用な竜児は次々と金魚をすくっていく。

「あー。おっちゃん。５匹でいいや。」

「兄ちゃんすごいね!彼女すごさに泣いちゃってるぜ？」

え？私・・・泣いちゃってたんだ。

「光瑠・・・？ちょっと来て。」

私の手を引っ張って人気なない森へと入って行った。そこは中心に岩があり、上は星空で一杯だった。

「き・・・れい。」

美しさで止まらなかった涙が止まった。

「光瑠・・・思っていること・・・全部言えよ？」

「え？」

「どんだけの付き合いだと思ってる？言いたいこと言えないでいるなんてあの時に分かってたんだよ。」

「・・・だって・・・嫌われちゃうと思って・・・。」

「そんなわけ無いだろ？」

「・・・本当は・・・本当は離れたくないよ！」

また涙が流れる。そんな私を優しく抱きしめてくれる。

「良かった。光瑠、そんなこと言わないから俺のことそんなに好きじゃなかったのかなって少し不安になったんだよ。」

「・・・でも行っちゃうんだよね？」

「・・・ああ。でも俺は光瑠だけだよ。その印はこれだ。」

ネックレスだった。ハートの・・・ネックレス。

「これ・・・。」

「本当は指輪にしたかったけどな。その・・・将来・・・俺は光瑠と・・・結婚したいから・・・その時にでもって・・・。」

恥ずかしいことをサラリと言う竜児は天然なのかこっちが熱くなってしまった。

「で？返事は？」

「へ？今？」

「言っとくけど、俺たち親の承諾があれば出来るんだからな！」

「そ・・・そのくらいは知ってる・・・よ？」

「知らない部分あったんだな。」

「返事・・・聞かなくていいの？」

「聞く。」

「答えはＯＫ。」

２人は約束のキスをした。漫画やドラマでよくあるシーンの様に私たちの後ろで花火が打ち上げられていた。甘い時間はあっという間に過ぎ、竜児はイタリアへと旅立った。『帰ってきたら１番最初に描く絵は光瑠な』という言葉を残して。


それから５年・・・。


「行ってきまーす。」

「今日も遅いの？」

「わかんない。たぶん。」

家の門を見るとそこに男の人が立っていた。

「光瑠・・・。ただいま。」

「竜児・・・。お帰り！！」

あの時止まった時間、私たちの時間がまた動きだした。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｆｉｎ ]]>
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		<dc:date>2010-07-20T21:00:00+09:00</dc:date>
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		<title>山　海　アイス</title>

		<description>山の奥に２人の兄弟が住んでいました。
…</description>
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			<![CDATA[ 山の奥に２人の兄弟が住んでいました。

兄のリクは体の弱い弟ルートの薬を買うために毎日働いていました。

「ルート、今日もちゃんとおとなしく寝ているんだよ。」

「うん。」

いつもと同じ日常。いくら薬を買って弟のルートに薬を飲ませても、こんな安い薬じゃ・・・。父さんと母さんが生きていてくれれば・・・。

「リク兄ちゃん。」

「どうした？」

「・・・ううん。頑張ってね。」

「おう！じゃ行ってくる。」


「海・・・久しぶりに行きたいな。」

ルートの呟きは誰にも聞かれることはなかった。


「ただいま。」

「お帰り。」

家に入ると台所に立っているルートの姿があった。

「ルート！お願いだから寝ていてくれよ。」

「ヤダよ！僕だってリク兄の役に立ちたいよ。」

「・・・お前までいなくなると・・・兄ちゃん・・・一人ぼっちになっちゃうだろ？」

「大丈夫。僕はリク兄の前からいなくならないよ？」

笑顔で答えるルート。

「さ、後は兄ちゃんに任せて、ルートは寝てろ。」

「・・・うん。そうだね。今日は検査の日だからね。」


「ありがとうございました。」

「・・・少し時間をいただけますか？」

「・・・はい。」

少し胸騒ぎがした。

「弟ルート君の話なんだけども・・・。」

「・・・はい。分かっています。」

「もう・・・長くはないと思われるんだ。」

覚悟はしていたはずなのに・・・ショックだった。

「・・・。」

言葉が出てこない。

「リク君・・・。」

心配そうに名を呼ぶ医者。

「・・・すみません。あと・・・どれくらいなんですか？」

「長くて・・・一週間もつかもたないか。」

「そ・・・んな。」

「！！！」

「！！！」

物音の方を見るとそこに弟のルートが立っていた。

「ルー・・・ト。」

「心配しないで？僕・・・分かってたから。自分の身体だし。」

「ルート。」

こんな時でもリクに笑顔を見せるルートを優しく抱きしめるリク。

「なんで・・・なんでルートなんだよ。」

「リク兄。僕・・・行きたい場所があるんだ。」

「・・・どこだ？」

「海！」

リクは医者の方を見ると医者は笑顔で頷いた。


「リク兄。これからは一緒に寝よ？」

「そうだな。」

２人はベッドへ潜り込んだ。


「明後日に海、行こうな？」

「うん！」

この夜はどんどん咳が酷くなっていた。


次の日の仕事では泣くのを堪えるのに必死だった。


「大丈夫か？」

「うん。だって待ちに待った海だよ！？」

いつもよりは元気そうに見えるけれど、少し無理をしているようにも見えた。


「うわ～。海ってこんなにキレイだったっけ？」

ルートの目はキラキラ輝いていた。

「！！ルートここでじっとしてろよ？」

「え？うん。」

ルートを残しその場を離れてある場所へリクは向かった。

「僕はここに来れて、リク兄の弟として生まれてこれて嬉しかったよ。ありがとう。神様。」

海を眺めていると目の前にアイスが差し出され、そこにはアイスを銜えたリク兄が立っていた。

「わぁ～アイス！ありがとうリク兄！！」

久しぶりのアイスだからかとてもおいしそうに食べるルートを見て微笑むリク。

「懐かしいね。父さんたちと海に来た時と味・・・変わんないね。」

「ああ。」

「僕・・・もう少しで父さんたちに会えるんだね。」

「・・・！」

涙が出そうになる。けれどいい思い出として泣くわけにはいけない。


「今日は本当にありがとう。」

「じゃ今日は久しぶりの海に来た記念の写真を撮るぞ！」

“パシャ”


これがルートの最後の元気な姿だった。

この日から５日後、ルートは幸せな顔で静かに息を引き取った。


「父さん！母さん！どうしてルートまで・・・。」

ルートの墓の前で涙を流すリク。リクの前に影ができ、後ろを振り返ると、そこにはルートの掛かりつけの医者の姿があった。


祈りを捧げ立ち上がりリクを見る医者。

「今日は、リク君に渡したいものがあって来たんだ。」

「俺に・・・ですか？」

頷くと封筒を前に出し、それを受け取った。

「それはルート君からの手紙だよ。」

リクはゆっくり、丁寧に封筒の中身を取り出し読んでいく。


“リク兄へ

この手紙を読んでいるということは僕はリク兄の前からいなくなったってことだね。

とても優しいリク兄。

きっと僕のための涙を流してくれているよね？

でも、泣かないで。

僕はずっとリク兄の傍にいるから。


僕、リク兄の弟として生まれて良かったよ。

こんな優しい兄はリク兄しかいないよ。

僕の自慢の兄さん。


僕のためにいっぱい、いっぱい働いて薬を買ってくれてありがとう。

思い出を沢山、ありがとう。

僕を一番に思ってくれてありがとう。


ありがとう。


感謝でいっぱいだよ。

こんな弟を愛してくれてありがとう。


大好きなリク兄。

また、生まれ変わってもリク兄の弟でいたいよ。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　リク兄が大好きな弟のルートより”


読み終わった途端、リクの目には涙が溜まっていた。

「ルート。・・・ルート。ルート！ルート！！」

ルートの墓に向き直るリク。

「俺も・・・俺も弟がルートでよかったよ！礼を言うのは俺の方だ！ありがとう！ルート！」


その日は真夏で暑く、青空いっぱいの空でした。








　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ありがとう。リク兄。」



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ＥＮＤ
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		<dc:date>2010-07-14T20:33:05+09:00</dc:date>
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		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
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