いつもいつもイジメに遭う私。
「もう嫌!」
いつもいつも自殺を考える。だけれど私は弱いからいつも足がすくんでしまってできない。
「もし・・・変われるなら、変わりたい!!」
自分の気持ち、言いたいことが言えない彼女はいつもそう思っていた。
今日もイジメに遭い、疲れきっている瑠希(るき)。帰宅途中、車に轢かれて死ぬのもいいなと何度も思う。でも、いつもいつも足がすくんでできない。
「私って本当に弱い。」
苦しくて、胸が締め付けられる。涙が出てくる。
「~~~。うっ。苦しいよ・・。」
ボタボタ涙が灰色の地面に水玉模様を描く。瑠希はふと視線を感じ、周りを見渡す。でも、誰の姿もない。しかし、体が勝手に不気味な店へと足を運び出す。
「呼んでる?」
中に入ると、その店の奥に鏡があった。
【悲しいの?泣いてるの?】
どこからか女の子の声が聞こえる。
【ここ、ここ。貴方の前にいるわ。】
「鏡?」
【そう、私は貴方で貴方は私。さぁ、こっちへおいで。】
「え?」
またしても体が勝手に動き出す。
「・・・。」
瑠希は両手を鏡に触れる。
「え?あ・・・きゃ!!!」
鏡に触れた途端、吸い込まれ光に包まれた。
意識を取り戻した時には、辺りは静かだった。見回してもいつもと変わらない景色だった。でも、外は暗く灰色の世界だった。
「何・・・これ?」
人、1人も見当たらない。
「え?!」
瑠希は看板に書いてある文字が鏡のようになっているのに気付いた。
「も・・しかして、さっきの・・・本当に鏡の中に入っちゃったの?!」
今の私は1人・・・独りというのが合うだろう。
「でも・・・私に合う世界なんだろうな。」
瑠希は歩き出す。
私の家が見え、中へと入る。
【お帰り!!】
知らない・・・女の子。でも・・・知ってる。そう、さっき鏡の中にいた女の子。
「・・・。」
【あ、私ね、鏡花(きょうか)。】
「鏡・・花。貴方が私をここに連れてきたの?」
【そうよ?貴方が求めた世界、私は貴方を救いたかったの。】
「私を・・・救う?」
【うん。】
2人だけの世界を過ごした。私の求めた世界だと思ってた。でも、日に日に寂しさが生まれた。
【どうしたの?】
「寂しい・・・。現実の世界・・・元の世界に帰りたい!!」
泣き出す瑠希。
【どうして?どうして帰りたいの?私を1人にするの?!】
暗い闇が私を飲み込んだ。
何も見えない。真っ暗。何も香りを感じない。何も・・何も・・・。これが寂しいという気持ち?孤独。
「さび・・・しいよ。誰か・・・。」
そう呟き、一筋の涙が零れる。その零れた一粒の涙が宙に浮き、光りだす。
「・・・希。」
誰?
「瑠希。」
私の名前を呼んでいるのは誰?
「瑠希行っちゃヤダ!私を独りにしないで!!」
光とは反対側に居る鏡花の姿。
「ヤダヤダ!何処にも行かないで!1人にしないで!!」
「鏡花・・・。」
鏡花は私に抱きついた。瑠希は気付く。鏡花は鏡に映った私だった。鏡花は・・・鏡花は小さい頃の私を映していたのだ。
「辛・・かったよね?1人は寂しいかったよね。でも、私、変わる。自分の気持ち・・・皆に伝えられるような人に代わる。だから一緒にここから出よう?」
【瑠・・希・・。・・うん!!】
涙を流した鏡花が光の粒となって私の胸の中へと入っていった。
「呼んでる!行かなきゃ!!」
「瑠希!!」
目を覚ます。辺りを見ると真っ白な世界。
「ここ・・・は?」
「病院。」
そこにはいつもイジメに参加していた人の姿があった。
「ごめんね。瑠希。私的にはただからかってただけだったのに、こんなに苦しめてたんだね。ごめんね。」
涙を流しながら謝る友達。瑠希はすでに許していた。私のために流してくれた涙。
「いいよ。でも、これからは仲良くしてくれる?」
「・・・うん!もちろん!!」
私は少しでも変われたのかな?
少しでも自分の気持ち伝えられるようになったかな?
うん。変われた。
自信を持って言える。
だって、昔と違って世界が輝いて見えるから。
END
「もう嫌!」
いつもいつも自殺を考える。だけれど私は弱いからいつも足がすくんでしまってできない。
「もし・・・変われるなら、変わりたい!!」
自分の気持ち、言いたいことが言えない彼女はいつもそう思っていた。
今日もイジメに遭い、疲れきっている瑠希(るき)。帰宅途中、車に轢かれて死ぬのもいいなと何度も思う。でも、いつもいつも足がすくんでできない。
「私って本当に弱い。」
苦しくて、胸が締め付けられる。涙が出てくる。
「~~~。うっ。苦しいよ・・。」
ボタボタ涙が灰色の地面に水玉模様を描く。瑠希はふと視線を感じ、周りを見渡す。でも、誰の姿もない。しかし、体が勝手に不気味な店へと足を運び出す。
「呼んでる?」
中に入ると、その店の奥に鏡があった。
【悲しいの?泣いてるの?】
どこからか女の子の声が聞こえる。
【ここ、ここ。貴方の前にいるわ。】
「鏡?」
【そう、私は貴方で貴方は私。さぁ、こっちへおいで。】
「え?」
またしても体が勝手に動き出す。
「・・・。」
瑠希は両手を鏡に触れる。
「え?あ・・・きゃ!!!」
鏡に触れた途端、吸い込まれ光に包まれた。
意識を取り戻した時には、辺りは静かだった。見回してもいつもと変わらない景色だった。でも、外は暗く灰色の世界だった。
「何・・・これ?」
人、1人も見当たらない。
「え?!」
瑠希は看板に書いてある文字が鏡のようになっているのに気付いた。
「も・・しかして、さっきの・・・本当に鏡の中に入っちゃったの?!」
今の私は1人・・・独りというのが合うだろう。
「でも・・・私に合う世界なんだろうな。」
瑠希は歩き出す。
私の家が見え、中へと入る。
【お帰り!!】
知らない・・・女の子。でも・・・知ってる。そう、さっき鏡の中にいた女の子。
「・・・。」
【あ、私ね、鏡花(きょうか)。】
「鏡・・花。貴方が私をここに連れてきたの?」
【そうよ?貴方が求めた世界、私は貴方を救いたかったの。】
「私を・・・救う?」
【うん。】
2人だけの世界を過ごした。私の求めた世界だと思ってた。でも、日に日に寂しさが生まれた。
【どうしたの?】
「寂しい・・・。現実の世界・・・元の世界に帰りたい!!」
泣き出す瑠希。
【どうして?どうして帰りたいの?私を1人にするの?!】
暗い闇が私を飲み込んだ。
何も見えない。真っ暗。何も香りを感じない。何も・・何も・・・。これが寂しいという気持ち?孤独。
「さび・・・しいよ。誰か・・・。」
そう呟き、一筋の涙が零れる。その零れた一粒の涙が宙に浮き、光りだす。
「・・・希。」
誰?
「瑠希。」
私の名前を呼んでいるのは誰?
「瑠希行っちゃヤダ!私を独りにしないで!!」
光とは反対側に居る鏡花の姿。
「ヤダヤダ!何処にも行かないで!1人にしないで!!」
「鏡花・・・。」
鏡花は私に抱きついた。瑠希は気付く。鏡花は鏡に映った私だった。鏡花は・・・鏡花は小さい頃の私を映していたのだ。
「辛・・かったよね?1人は寂しいかったよね。でも、私、変わる。自分の気持ち・・・皆に伝えられるような人に代わる。だから一緒にここから出よう?」
【瑠・・希・・。・・うん!!】
涙を流した鏡花が光の粒となって私の胸の中へと入っていった。
「呼んでる!行かなきゃ!!」
「瑠希!!」
目を覚ます。辺りを見ると真っ白な世界。
「ここ・・・は?」
「病院。」
そこにはいつもイジメに参加していた人の姿があった。
「ごめんね。瑠希。私的にはただからかってただけだったのに、こんなに苦しめてたんだね。ごめんね。」
涙を流しながら謝る友達。瑠希はすでに許していた。私のために流してくれた涙。
「いいよ。でも、これからは仲良くしてくれる?」
「・・・うん!もちろん!!」
私は少しでも変われたのかな?
少しでも自分の気持ち伝えられるようになったかな?
うん。変われた。
自信を持って言える。
だって、昔と違って世界が輝いて見えるから。
END
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